2020/09/16

急性期病院入院後24時間の高齢者の身体活動量

Predictors of physical activity in older adults early in an emergency hospital admission: a prospective cohort study

BMC Geriatr. 2020; 20: 177.


<背景>
活動量の低下は、高齢入院患者において、機能低下や急性サルコペニアを引き起こすかもしれない。特に急性期病院での、入院中の活動性低下についてはあまり理解されていない。
今回、高齢者が入院して最初の48時間における24時間の院内での活動の予測因子を検討した。

<方法>
75歳以上の患者を入院24時間以内にリクルート。
ベースライン評価として、活動量、認知機能、フレイル、転倒効力感、併存症、急性疾患の重症度、膝伸展筋力、握力。活動量計を入院後7日間(もしくは退院まで)装着。
入院中の身体活動は、上体を起こしている時間と定義(立位もしくは歩行)。
身体活動の予測因子の検討のために、最初の24時間の記録に限定。
ベースライン評価は最良値を採用。最適化モデル(optimal model)で最大5つの変数を算出。

<結果>
70人の患者が対象。しかし、8人は最初の24時間の活動量計の記録がなかったため除外。
患者は、24時間のうち0.5時間を立位もしくは歩行していた。
最適化モデルでは、活動機能(de Morton Mobility Index)、疾患重症度、早期警戒スコア(National Early Warning Score:NEWS)、血清CRP値。

<考察>
急性期病院に入院した患者はの身体活動は非常に低かった。
疾患重症度と身体活動の関係は、急性疾患の症状によって説明され、活動制限となっているかもしれない。
早期モビライゼーションのために学際的なアプローチが求められる。