2020/09/19

COPD増悪入院患者における筋力低下の影響

 Muscle loss contributes to higher morbidity and mortality in COPD: An analysis of national trends

Respirology (2020)


<背景>
COPDは、世界の死因第3位で、アメリカでは4位である。COPDで入院した患者は、死亡率や医療費が高騰する。
骨格筋低下はCOPD患者でよくみられる。しかし、筋力低下によるさらなるアウトカムへの影響は、体系的に評価されていない。
COPD増悪で入院した患者は、そうでない患者に比べて、筋力低下による二次診断(ICD-9でカヘキシアを含む筋力低下に関連したコード)が、死亡率や医療費が高くなっていると仮定し、検証した。

<方法>
2011年にアメリカで入院した患者のデータベースを使用。
174808件のCOPD増悪入院患者のデータを解析し、筋力低下の入院中の死亡率、入院日数、医療費への影響を検証。

<結果>
12977人(7.4%)に筋力低下による二次診断がつけられていた。
筋力低下の診断は、
入院中の高い死亡率(14.6% vs 5.7%, P < 0.001)、
長い入院日数(13.3 + 17.1 vs 5.7 + 7.6, P < 0.001)、
高い医療費($13 947 vs $6610, P < 0.001)
と関連していた。

多変量回帰分析にて、筋力低下がない場合と比べて、
筋力低下のある場合の死亡率は、111%上昇
入院日数は、68.4%増加
医療費は83.7%増加
していた。

<考察>
入院中の死亡率、入院日数、医療費は、筋力低下のあるCOPD患者でより高かった。

・アメリカの入院患者の大規模data baseをを使用し、2011年にCOPD増悪で入院した患者データを選出
・筋力低下は、ICD-9コードで定義