2020/06/05

SPPBスコアでCOPDを層別化できない。

Phenotypic Characteristics of Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease After Stratification for the Short Physical Performance Battery Summary Score

Arch Phys Med Rehabil . 2020 Jun 1;S0003-9993(20)30311-7.


<目的>
SPPB合計スコアで層別化したCOPD患者の特性を評価すること。
呼吸リハ開始時のSPPBスコアの特性を評価すること。

<方法>
後方視横断研究。
呼吸リハの開始時評価を使用。
900人のCOPD患者が対象(65歳、%FEV1.0 43%)
SPPBスコアで、低パフォーマンス(LP)、中パフォーマンス(MP)、高パフォーマンス(HP)に分けた。
さらに、肺機能、動脈血ガス、体組成、運動耐容能、下肢筋力、持久力、不安、抑うつを評価。

<結果>
LP患者は、MPやHPと比べると、運動耐容能と筋機能は低く、不安と抑うつ症状は高い。
しかし、HPの25%のCOPD患者は、不安と抑うつ症状が高く、HP患者は、依然として運動耐容能の低下があった(6MWD予測距離の68%)。
さらに、多変量回帰モデルにおいて、年齢、6MWDは、SPPB合計スコアにおける分散の29%を説明する独立変数であった。


<考察>
COPDにおいて、LP患者は、身体機能、感情機能の障害があった。しかし、HP患者でも身体的、感情的な障害をもっている患者がいた。
因子としてのSPPBスコアの信頼性は低く、SPPBでCOPD患者の運動耐容能や感情の状態を測定すべきでないと思われる。