J Thorac Dis (IF: 2.027). 2020 Apr;12(4):1296-1304.
<背景>
4m歩行速度は、高齢COPD患者に行う簡単な機能評価である。
しかし、間質性肺疾患患者での評価に関してのデータは少ない。
間質性肺疾患患者での4m歩行速度と6MWTの関係を評価した。
<方法>
4m歩行速度と6MWTを51人の間質性肺疾患患者で評価。
その他の評価は、QOL、mMRC、動脈血ガス、肺機能、筋力(骨格筋量)、身体活動
<結果>
35人の患者が男性。34人は特発性肺線維症(66.7%)
4m歩行速度と6MWDは著明な相関あり(r=0.57; P<0.001)
4m歩行速度と6MWDの多変量解析で、mMRCスコアが相関していた
加えて、6MWDは、年齢、%DLCOと相関していた。
<考察>
4m歩行速度は間質性肺疾患患者の機能評価の評価として簡単で、妥当性のある評価である
・神戸市立医療センターの外来を利用している、慢性線維性ILD52人が対象
・4M歩行速度(4MGS)と6MWTは同じ日に測定
・4m歩行速度は2回測定し、速い方を採用。加速ゾーンと減速ゾーンをそれぞれ1m確保。
・6MWTは1回測定。円形のコースを6分歩行。
・QOL:SGRQ、CAT
・大腿四頭筋力:膝伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーター)、大腿四頭筋刺激力(TwQ)
・骨格筋量:体組成計(In Body)
・身体活動量:単軸加速度計を1週間測定。歩数の平均を算出
・4m歩行速度は、地域高齢者の有用な指標として推奨されており、運動耐容能との指標となるかもしれない。
・4MGSは疾患重症度と相関していたが、年齢、肺機能、筋力、SMI(骨格筋量)と相関しなかった。これまでの報告で、4MGSと最大運動耐容能との関係は評価されていない。
この研究が、4MGS遅いことは、骨格筋量や肺機能の低下を示していないことを示唆している。