J Aging Res . 2012;2012:172492.
骨格筋の量や質の変化は、加齢によって生じる。加齢による骨格筋の身体的な変化は、筋量、筋力の減少、不活動と関連しており、バランスを保てていない。
ステロイドは様々な臨床シーンにて広く用いられているが、筋原線維(ミオフィブリラ)の減少や細胞外基質の変化、筋力低下、モーター活動の低下などが生じる。
運動療法は、ステロイドミオパチーや高齢で筋負荷の無い患者など、様々な疾患の予防として有効なツールである。
目的は、ステロイドミオパチーや加齢により筋負荷の無い高齢者患者の筋力低下を予防する効果が運動療法にあるかを検討することと、高齢患者の様々な筋のタイプの筋の収縮機構と細胞外基質の関係について検討すること。
【筋力低下における運動療法の予防的役割】
ステロイドミオパチーの症例では、筋力と持久力トレーニングを組み合わせることで、より筋力低下を予防できる。特に、これらを異なる強度、頻度、期間をおこなうことでより大きな効果がある。
約40年以上前に、ステロイド投与中の筋力低下に対しての、運動療法の予防的役割について報告されている。
(A. L. Goldberg and H. M. Goodman, “Relationship between cortisone and muscle work in determining muscle size,”Journal of Physiology, vol. 200, no. 3, pp. 667–675, 1969.)
歴史的に、持久力運動が、ステロイド関連の骨格筋低下の抑制に効果的であると示している。
その後、集中的な短期間トレーニングが、骨格筋の抗加齢作用があることを示した。
(E.-M. Riso, A. M. Ahtikoski, M. Umnova et al., “Partial prevention of muscle atrophy in excessive level of glucocorticoids by exercise: effect on contractile proteins and extracellular matrix,” Baltic Journal of Laboratory Animal Science, vol. 13, no. 1, pp. 5–12, 2003.)
ステロイドは速筋線維の萎縮が増え、筋原線維とネットワーク形成コラーゲンの特異的なmRNAレベル(..??)が、速筋と遅筋で同様に低下する。
筋原線維装置とECMは、グルココルチコイド投与時と筋負荷後の筋力変化に重要な役割を果たしている。
筋トレと持久トレーニングによる筋線維への効果、影響 |