2020/05/14

COPD増悪後の呼吸リハは死亡率を減少させる。

Association Between Initiation of Pulmonary Rehabilitation After Hospitalization for COPD and 1-Year Survival Among Medicare Beneficiaries

JAMA. 2020;323(18):1813-1823


<目的>
メタアナリシスで、COPD増悪後に呼吸リハを開始することは、生存率を改善させることが示唆されているが、対象患者数が少なく、不均質性が高かった。
現在のガイドラインでは、退院後に呼吸リハに参加することは推奨されている。

<目的>
退院後90日以内に呼吸リハを開始することと、1年間の生存率を比較した。

<方法>
後方視コホート研究。アメリカの4446の急性期病院にCOPDで入院した患者が対象。
プライマリーアウトカムは、1年間の全原因死亡率。退院から死亡までの時間と呼吸リハ開始の時間をCox回帰モデル解析。
死亡と不均質特性と呼吸リハ開始の傾向を調整した。
追加解析として、呼吸リハのタイミングと死亡の関係、セッション完了数と死亡の関係について実施。

<結果>
197376人の患者のうち、2721人(1.5%)が退院後90日以内に呼吸リハを開始。
退院後1年以内に38302人(19.4%)が死亡。これには、90日以内に呼吸リハを開始した患者の7.3%、90日以降もしくはリハを行わなかった患者の19.6%が含まれている。
退院後90日内に呼吸リハを開始することは、1年以上死亡リスクが低いことと関係していた。(HR;0.63、95%CI:0.57-0.69)
呼吸リハの開始は、30日から90日の範囲でも死亡率の低下と関連していた。(HR0.74、95%CI:0.67-0.82)。退院後61-90日で開始は、HR0.40:95%CI:0.30-0.54)。
参加セッションが3つ増えるごとに、死亡リスクの低下と関連していた。(HR:0.91、95%CI:0.85-0.98)

<考察>
COPDで入院した有料サービスのケアを受けている患者のうち、呼吸リハを退院後3ヵ月以内に開始することは、1年間の死亡リスクの低下と著明に関連していた。
これらは、COPD入院後に呼吸リハを行う現在のガイドラインで推奨されていることを支持するものであるが、残存交絡の可能性があるため今後の研究が必要である。