Lung Cancer (IF: 4.599). 2018 Dec;126:125-132.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30527176/
<背景>
肺がんの手術後に身体機能やQOLを改善するために、運動のタイミングや最適量については明らかになっていない。
今回、手術可能な肺がん患者に術後早期vs晩期に術後リハを開始することが、運動耐容能に影響するかを検証した。
<方法>
2群ランダム化比較試験を実施。
早期(術後14日)と晩期(術後14週)で比較。
プライマリーエンドポイントは、ベースラインと開始26週後の最大酸素摂取量(VO2 peak)の変化。疲労感は、EORTC QLQ C30 LC13で評価。
<結果>
2013年から2016年に、582人の手術可能なNSCLC患者をスクリーニング。
119人の患者が早期グループ、116人が晩期グループに無作為に振り分けられた。
両グループとも26週後に著明な違いは無かった。
ベースラインと14週に著明な違いがあった。
両グループの14週と26週の変化量に著明な違いがあった。
QOLの違いは認めなかったが、両グループ間に、ベースラインから14週までの疲労感に違いがあり、早期グループの疲労感の方が良好であった。
<考察>
肺がん手術後のリハビリの開始時期を早期と晩期で効果を比較した最初の無作為化試験である。
術後の開始時期で運動耐容能の違いは無かった。
しかし、疲労感を軽減するためには、早期から運動プログラムを開始することを推奨すべきである。