The Association of Frailty With Post-ICU Disability, Nursing Home Admission, and Mortality: A Longitudinal Study.
Chest (IF: 9.657) 2018 Jun;153(6):1378-1386.
<背景>
フレイルは、高齢患者の脆弱性の強い指標である。しかし、ICUアウトカムとの関連については、前向きな評価はされていない(ICU入院時から評価を実施するなど)。
目的は、フレイルと、ICU後障害、ナーシングホーム入所、死亡との関連について前向き研究を実施すること。
<方法>
754人の70歳以上の患者を対象。13の生活活動の障害と18カ月ごとのフレイルの評価を実施。(1998年-2014年)
フレイルは、Fried indexを使用。5項目中3項目以上該当はフレイル、1-2項目該当はプレフレイル、当てはまらないのをノンフレイルに分類。
統計サンプルの対象はICU入室した391人。
<結果>
平均年齢84歳。フレイルとプレフレイルは、391人中213人(54.5%)と140人(35.8%)であった。
ノンフレイルと関連して、フレイルは受傷後6カ月以後の能力障害が41%に認められた。
プレフレイルは28%で認めた。
フレイルはナーシングホーム入所の増加と関連していた。
フレイルカウントが1点上昇すると、6ヶ月フォロー中の死亡リスクが2倍であった。
<考察>
ICU入室前のフレイルの状態は、ICU後障害の増加と関連しており、新たにナーシングホーム入所と死亡が多かった。
ICU入室前のフレイルの状態は、受傷後アウトカムについての重要な予測を提供するかもしれない。
・対象者は、包括的な在宅での評価をベースライン、18カ月ごとに180ヵ月(15年!)実施。
・2014年からは電話インタビューに切り替えた。参加者の著しい認知機能障害や参加できない場合は、代理人に調査。
・機能障害は毎月の電話インタビューで質問「現在、4つの基本的ADL(入よっく、整容、歩行、移乗)、5つの手段的ADL(買い物、家事、食事の準備、服薬、金銭管理)、3つの活動(1/4マイル歩く、階段を昇る、10ポンドの物を持ち上げる)において他者の介助が必要ですか?」
・これら12の活動において、他者の介助が必要な場合を”機能障害あり”と定義。
・プライマリーアウトカムはICU入室から6か月後の機能障害の数(ICU入室時の前月にすべてのADLで介助が必要としている場合は除外)
・セカンダリーアウトカムは、ナーシングホーム入所の件数。
入院前からフレイルがあると、機能障害の数が多い。 |
フレイルは、生存率が低い |