2020/02/28

バイオマーカーとCOPD臨床アウトカムの関係-systematic review and meta-analysis-

Biomarkers and clinical outcomes in COPD: a systematic review and meta-analysis

Thorax. 2019 May; 74(5): 439–446.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6484697/


<背景>
従来よりCOPDは、骨格筋低下、心血管疾患の問題など全身の問題が検証されている。
これらの結果と臨床アウトカム(死亡率、増悪、入院など)の関係について検証することは、重要なことである。

<目的>
6MWD、心拍数、フィブリノゲン、CRP、白血球数、IL-6、IL-8、TNF-α、大腿四頭筋力、鼻吸気圧(吸気筋力?)、SPPB、脈波伝播速度(pulse wave velocity)、頸動脈内膜中膜肥厚(carotid intima-media thickness)、脈波増大係数(augmentation index)と安定期COPDの臨床アウトカムの関係を調査した。

<方法>
疫学研究などのメタアナリシスなど61文献が対象。

<結果>
6MWDが短く、心拍数の上昇、フィブリノゲン、CRPの上昇と白血球数の増加が高い死亡率と関係。
6MWDが50m短くなるごとに、危険率(HR)は0.80上昇
心拍数が10bpm上昇するごとに、1.10
フィブリノゲンが2倍増えるごとに、3.13
CRPが2倍増えるごとに、1.17
白血球数が2倍増えるごとに、2.07

6MWDが短く、フィブリノゲンとCRPの増加は、増悪と関係。
6MWDが短い、心拍数とCRPとIL-6が高いことは、入院と関係。

いくつかの研究では、骨格筋の評価との関連も検証されている。

<考察>
6MWD、心拍数、CRP、フィブリノゲン、白血球は、安定期COPD患者の臨床アウトカムと関連していた。
骨格筋評価を用いたアウトカムとの関連の検討が今後、求められる。


An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is thoraxjnl-2018-211855f02.jpg


・SPPBを使った研究は、今回のシステマティックレビューの採用基準に当てはまらなかったが、いくつかの検証がされている。
・主に一般人を対象にした17の文献にて、SPPB<10点は、全死亡原因を予測した。
・高齢COPD患者においては、SPPBの構成要素の1つである、歩行速度が再入院を予測したと報告している。