Effect of a Simple Exercise Program on Hospitalization-Associated Disability in Older Patients: A Randomized Controlled Trial
JAMDA(2019) 1-7
https://www.jamda.com/article/S1525-8610(19)30836-9/addons
<目的>
入院関連活動障害(Hospitalization-associated disability:HAD,退院時に基本的ADLの1つ以上で介助が必要な状態)は、高齢患者で良く見られる状態である。
急性に入院した超高齢者において、単純な入院運動プログラムが、HADの発生を減少させることが出来るかを評価した。
<方法>
無作為化ランダム試験。ベースライン(入院2週間前)、入院時、退院時、退院3か月後に評価。
計268人の患者、平均年齢88歳が対象。無作為に対照群125人と介入(運動)群143人に分けられた。
両群とも通常ケアを受けた。介入群は、1日20分以内の簡単な運動(歩行、椅子起立)を実施。
ADL機能はKatz indexで評価(primary outcome)。退院時と退院3か月後のHAD、SPPB、活動耐久性、転倒数、再入院、3か月間の死亡率を評価(secondary outcome)。
<結果>
入院期間の中央値7日。介入群は、ベースラインと入院時のHADの発生リスクが低かった。
入院時と比較して、退院時のADL機能は改善傾向にあった。
その他のエンドポイントでは、グループ間に有意差はなかった。
<結論>
入院した超高齢患者に対する簡単な運動介入は、HADの発生リスクを減少させる。
・主病名
呼吸器、循環器、腎臓/泌尿器、中枢神経、消化器
入院2週間前に歩行できていない、ADLで介助が必要な患者は除外。(ベースラインはインタビューで評価)
・運動内容
椅子起立:必要に応じてひじ掛けなどを使用可能。頻度は、1日1-3セッション、平日のみ。セッションの数は患者の状態に応じて徐々に増加させる。セッション間には30分の休憩を設ける。運動量は、1-3セット。1セット10回繰り返し。セット間は2分の休憩を設ける。
歩行:頻度は起立と同じで1日1-3セッション。患者の状態に応じて3-10分の歩行、必要に応じて休憩可能。
・結果
ADL機能(Katz index)は、入院時vs退院時、入院時vs退院後3ヶ月後で介入群の方が有意に改善
ベースラインvs退院後3ヶ月は、対照群、介入群ともADL低下(退院後3ヶ月経過後も
入院前のADLまでは回復していない)
・考察
入院中の運動介入は安全で有効である。
入院中の歩行は入院前の活動に依存する。
急性期入院中に、歩行、バランス、レジスタンストレーニングを中央値5日行うことはh
活動、認知機能へ有効である。
歩行と起立運動は、主にフレイルの高齢患者に有効かもしれない。