2020/01/25

線維性間質性肺炎で呼吸リハの反応性

Cardiorespiratory adaptation during 6-Minute Walk Test in fibrotic idiopathic interstitial pneumonia patients who did or did not respond to pulmonary rehabilitation.

Eur J Phys Rehabil Med. 2019 Feb;55(1):103-112.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29904044

<背景>
線維性特発性間質性肺炎(f-IIP)患者において、呼吸リハは6MWTを改善させる。
しかし、呼吸リハに反応しない患者が多く存在する。
目的は、6MWT中の心肺反応の呼吸リハプログラムの影響と、呼吸リハで改善しなかった患者の特徴を調査すること。

<方法>
観察研究。フランスの病院でリクルートされ、8週間の自宅での呼吸リハを実施。
対象は、f-IIP19人、IPF12人、線維性非特異的間質性肺炎7人。
対象者は、呼吸リハの前後で6MWT、肺機能検査を実施。
ガス交換、心拍数、SpO2は6MWT中に評価。
QOL(SF-36)、息切れ(BDI/TDI)、不安/抑うつ(HADS)、を質問表で評価。

<結果>
呼吸リハ後の6MWTで30mの改善があったものを反応群(n=9)、改善が無かったものを非非反応群(N=10)として検証。酸素摂取量、呼吸数、歩行距離は、反応群でのみ優位に改善。SF-36、BDI/TDI、HADSスコアは、反応群と非反応群で違いは無かった。
非反応群は、有意にIPF患者が多く、6MWT中に著名な酸素化低下を認めた。

<考察>
呼吸リハ後に6MWTの改善が乏しかったのは、IPF患者、ガス交換能が改善していない、動脈血酸素飽和度が大きいことと関係していた。

f-IIP患者の多く、特にIPF患者であることや運動中の著明な低酸素を認める場合は、呼吸リハで反応に乏しいことと関係していた。また、
臨床において、呼吸リハ後に患者が回復していない場合は、運動の方法の検討やこれらの患者の運動様式の変化をすべきである。