2019/12/13

IPF患者の歩行速度と予後:0.8m/s未満は予後不良

Gait speed and prognosis in patients with  idiopathic pulmonary fibrosis: a prospective  cohort study

Eur Respir J (IF: 11.807) 2019 Feb 7;53(2).

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30487200

4m歩行速度は簡単に身体パフォーマンスを評価でき、フレイルの指標でもあり、高齢者における予後予測でもある。
4m歩行速度がIPF患者において全原因の死亡率や予定外入院を予測するのではないかと仮説した。

4m歩行速度と肺機能をベースラインに評価。
対象130人の新規にIPFと診断された外来患者。
生存率と予定外入院は、1年間調査。4m歩行速度の予測値を交絡因子となり得る項目を調整したCox回帰分析で危険率を計算した。
多変量回帰モデルと予測因子の間でROC曲線で評価した。

4m歩行速度とゆっくりとした4m歩行速度は、全死亡原因の死亡率と入院の独立した予測因子であった。
4m歩行速度もしくはゆっくりとした4m歩行速度を含めた多変量モデルは、GAP indexやComposite Physiologic Indexよりも死亡率を予測した。

IPF患者において、4m歩行速度は、全原因の死亡率や予定外入院の独立した予測因子である。

・4m歩行速度;直線4mを通常歩行速度(買い物に行く時の速さのように)で歩行
・時間は、かかとが動き出してから片足が完全に4m地点のテープを横切るまで
・2回測定値、速い方を採用
・歩行補助具や酸素ボンベは使用可能

・4m歩行速度が遅い患者(0.8m/s未満)は、亡くなるまでの時間や最初の入院までの時間が短かった。

a)全原因の生存率
b)1年以内の予定外入院(入院していない割合が縦軸)