Respirology (IF: 4.756) 2016 Aug;21(6):1088-93.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27173103
<背景>
ステロイドは間質性肺疾患(ILD)患者において時々使用されている。
慢性的なステロイド投与は骨格筋の衰弱を引き起こす。しかしながら、慢性的なステロイド使用が健常者よりも筋力低下しているILD患者にさらなる骨格筋の低下をもたらすかは知られていない。
目的は、ILD患者において慢性的なステロイド使用が骨格筋力、運動耐容能、ADL、健康状態に影響するかを検討すること。
<方法>
47人のILD患者がステロイドを処方されており、51人のMRC息切れスケールがマッチしたステロイド治療を行なっていないILD患者をリクルート。
評価は等尺性大腿四頭筋力(QF)、握力(HF)、肺機能、6MWD、ADLスコア、健康状態(SFー36)
<結果>
QFとHFはステロイド使用患者で著明に低下。
6MWD、ADL、SFー36はグループ間に有意差なし。
骨格筋力と総ステロイド投与量は逆相関していた。
多変量回帰分析において、総ステロイド投与量は独立して握力の予測因子であった。
<考察>
ILD患者において慢性的なステロイド治療は筋力低下を助長し、筋力低下は総ステロイド投与量と逆相関していた。
・前向き横断研究
・2008年から2013年に長崎大学病院でリクルート
・ステロイド治療は少なくとも1ヶ月の治療を実施
・ステロイドはプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コルチコステロイドをガイドラインや患者の状態に沿って使用
・平均1日投与量を計算(mg/day)し、投与期間で総投与量を計算(mg/day×期間,mg)
・筋力は、基準値と比較(%QF、%HF)
・多変量解析にて、%HFの予測因子は、ステロイド総投与量