2019/12/03

COPD増悪入院後の4m歩行速度は再入院を予測する

Gait speed and readmission following hospitalisation for acute exacerbations of COPD:a prospective study

Thorax (IF: 9.64) 2015 Dec;70(12):1131-7.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26283709

<背景>
COPD急性増悪(AECOPD)による入院は、再入院の高いリスクと関連している。しかし、退院時に再入院リスクのある患者を選別するための妥当なツールは無い。

<目的>
4m歩行速度(4MGS)が、フレイルの指標の代用となるか、COPD増悪入院した患者の将来の再入院リスクの予測ができるかについて評価すること。

<方法>
213人のAECOPDで入院した患者が対象。
4MGSは退院日に評価。
ロジスティック回帰モデルで4MGSと退院後90日の再入院の関係について検討。

<結果>
ベースライン特性:男性52%、平均年齢72歳、%FEV1.0 35%、退院時4MGS 0.61m/s
90日時点での全原因再入院率は、4MGSの4分位が下がると著明に増加していた(Q4 fastest: 11.5%; Q3: 20.4%; Q2: 30.2%; Q1slowest: 48.2%)
Q4と比べて、最も遅い4MGS(Q1)の90日の再入院のオッズ比は7.12倍、65歳以上では11.56倍。
65歳以上の再入院を予測する多変量モデルは4MGS、Charlson index、前年の入院、%FEV1.0、前年の増悪回数が含まれ、C検定で0.86。

<考察>
4MGSは身体フレイルの指標の代用となり、COPD増悪で入院した高齢者の再入院リスクを独立して予測する。

・4MGSは退院前24時間以内に実施
・通常の歩行補助具(杖や歩行器)、酸素などを使用

Figure 2
 (Q1≤0.40 m/s; Q2=0.40–0.59 m/s; Q3=0.60–0.79 m/s; Q4≥0.80 m/s). 

Figure 3
model1:年齢
model2:前年1回以上の入院
model3:4MGS
model4:4MGS+前年1回以上の入院
model5:多変量モデル(歩行速度、併存症、前年1回以上の入院、前年増悪回数、入院日数、身体活動、QOL)