2019/12/21

最重症COPDの運動療法の効果 -A Systematic Review and Meta-Analysis-

Aerobic Exercise Training in Very Severe Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis.

Am J Phys Med Rehabil. 2017 Aug;96(8):541-548.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28099192

<目的>
最重症COPD患者に対する運動療法の効果を検証すること。

<方法>
データベース(MEDLINE, EMBASE, Cochrane Central Register of Controlled Trials, and Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature databases)で検索
検索ワードは、COPD, Chronic Obstructive Pulmonary Disease, Exercise, and Pulmonary Rehabilitation.
採用基準は、対象患者の%FEV1.0が35%未満。
入院、外来、自宅、地域でのトレーニングプログラムを最低4週間実施したRCT(通常ケアとの比較)。
アウトカムは6MWT、健康関連QOL(SGRQ)

<結果>
580件の論文のうち、10本が対象となった。
プログラム期間は4週から52週
週1-5回のセッション、1回15-40分。
介入グループは、6MWTで改善していた。標準化平均差(standardized mean difference)は、3.86(95% CI, 2.04-5.67)、SGRQは-1.23 (95% CI, -2.14 to -0.31)。

<考察>
運動療法は、最重症COPD患者の運動耐容能と健康関連QOLを向上させる。
しかし、いくつかの研究で、重症の影響があった患者が含まれており、トレーニングプログラムのばらつきが多くあった。より大きなRCTが必要である。

・運動内容
少なくとも1種類の上肢or下肢の持久力トレーニングを行っていること。
期間は最低4週間

通常ケアの内容は、運動療法や身体活動への追加介入(教育など)を行わず、通常の薬剤治療のみを行っていると定義。
一般的なの身体活動を行うことは通常ケアと考える。

・運動の種類を比較した研究や、陽圧療法との併用などを行っている論文は対象外

【結果】
・対象患者:外来や自宅での介入が4件ずつ、外来と自宅の両方で行ったのが2件

・頻度:週1-2回

・運動内容:サイクリング、トレッドミル、フリー歩行。1件だけ上肢持久力トレを実施
8件で、上肢もしくは下肢の筋トレを実施。7件で呼吸練習(口すぼめ呼吸etc)、1件でリラクセーション、ストレッチを実施。
7件で教育セッションがあり、1件で吸気筋トレも実施。

・運動強度:漸増負荷試験での最大負荷の70-90%の高負荷で行ったのが3件。2分ごとのインターバルトレーニング(最大負荷の42%と85%を交互に)が1件、低強度(サイクリングで最大30W)1件、中等度負荷(50W)から開始し症状に応じて上げていくものが1件、強度を設定しないのが2件、その他2件は強度に関して記載無し。