2019/11/07

非結核性抗酸菌症に対する胸部理学療法の効果

Effects of Chest Physical Therapy in Patients with Non-Tuberculous Mycobacteria

Int J Respir Pulm Med. 2017;4(1). pii: 065.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28804763

<背景>
非結核性抗酸菌症(NTM)に対する抗菌薬治療は遷延し、毒性(toxicity)と関連している。
胸部理学療法が、抗菌薬治療を行っていないNTM患者の状態を改善することと関連しているかどうかを評価した。

<方法>
後方視的研究。77人が2006年から2014年にフォローされた。ベースラインは最初の喀痰培養陽性となった時点とした。症状、肺機能、放射線レポートを検討。
参加者は、24ヵ月以上フォローされ、指定された時点で結果の解析を行った。

<結果>
参加者の半分がベースラインで胸部理学療法を実施した。参加者全体において、咳は、抗菌薬治療を行っていないにもかかわらず、ベースラインと比較して、12ヵ月(p = 0.001)と24ヵ月時点 (p = 0.003)で改善していた。
呼吸リハを行った患者は、6ヶ月(p = 0.01)、9ヵ月(p = 0.02)、12か月(p = 0.02)、24か月 (p = 0.002)で減少していた。
参加者全体において、喀痰は、24ヵ月時点(p = 0.01)で改善していた。
呼吸リハを行った患者において、全肺気量が上昇していた (p = 0.005).

<考察>
遷延した抗菌薬治療を行っていないNTM患者において、呼吸リハは臨床的な改善を示した。今後、非薬物治療の状況でのアウトカムの前向き研究や抗菌薬開始を決める手段となるかについての検討が求められる。

・対象:21歳以上、少なくとも1回喀痰培養検査にて抗酸菌陽性がある。
・除外基準:喀痰培養にて抗酸菌が陰性、妊娠中、抗菌薬治療を研究期間中に行っている。
・胸部理学療法は、Flutter®, Acapella®, Vest®を治療者の裁量にて実施(排痰のみ!?)。



排痰についてアプローチしているが、介入しない方と比べて大きな違いは無い?
(フラッターやアカペラってエビデンスある?)