2019/11/07

肺がん化学療法中の呼吸リハの効果

Pulmonary Rehabilitation in Advanced Lung Cancer Patients During Chemotherapy

Adv Exp Med Biol (IF: 2.126) 2015;861:57-64.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26017725

<背景>
目的は、肺がんで化学療法中の患者に対する呼吸リハビリが、運動耐容能、息切れ、QOLを改善するかを検討すること。

<方法>
20人の患者が対象。パフォーマンスステータス(PS)0-2
12人が無作為に呼吸リハを実施し、8人は身体的リハビリを行わない対照群に割り付けられた。
どちらの患者も科学療法を実施。データはリハビリの前と8週間後に解析。
入院リハビリプログラムは、スキーストックを使用した運動療法と呼吸筋トレーニングを実施。

<結果>
活動性は改善傾向を示し(6MWD:527.3 ± 107.4 vs. 563.9 ±64.6 m; p > 0.05)、%FEV1.0(66.9 ± 13.2 vs. 78.4 ± 17.7 %predicted; p = 0.016)、息切れは著明に改善。
包括的QOL評価は改善傾向を示した。

<考察>
進行した肺がん患者で化学療法中の患者に呼吸リハを実施することは、息切れやQOL、活動性の改善があることを示唆した。

・2週間のリハサイクル(化学療法に合わせて)を4回実施。
最初の6MWDの結果によって2グループに分けた
・グループA:6MWD>200m
ノルディックウォーキングを使用した運動。1日1回、45分を最低週5日実施。
最大心拍数(220-年齢)の70%を目標、運動中SpO2>88%、息切れmMRC<3
有酸素運動と呼吸練習を1日1回30分、週5回
・グループB:6MWD<200m
呼吸筋トレーニングと上下肢筋力トレーニング