2019/10/22

COPDと心不全の並存は予後不良

Impact of COPD on the mortality and treatment of patients hospitalized with acute decompensated heart failure: the Worcester Heart Failure Study.

Chest (IF: 9.657) 2015 Mar;147(3):637-645.


<背景>
COPDは心不全患者によくある併存症である。急性非代償性心不全(acute decompensated heart failure (ADHF))の影響についてはあまり知られていない。
主な目的は、COPDがあるADHFで入院した患者の死亡率や治療効果について検討すること。

<方法>
11の医療機関でADHFで入院した患者を4年間追跡し、バイタルのデータを収集。

<結果>
9748人の患者がADHFで入院した。35.9%はCOPDをもっていた。
平均年齢76.1歳、43.9%が男性、93.3%が白人。
退院時、COPDがある患者は、βブロッカーやACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬などのエビデンスに基づいた心不全治療薬が、処方される傾向が弱かった(less likely to~)。
多変量解析にて、入院中の死亡率はCOPDの有無に関わらず同様であった。
しかし、退院後の生存率は、COPDがある患者の方が1年後と5年後の死亡リスクは高かった( relative risk [RR], 1.10、 RR, 1.40)

<考察>
COPDはADHFで入院した患者に共通した併存症であり、長期予後の不良と関連していた。
今後、これらの疾患の相互作用の理解とADHFでCOPDのある患者の治療を考慮していく必要がある。