2019/09/27

IPF患者で低酸素と低活動量の死亡リスクへの影響

Physical Activity and Exertional Desaturation Are Associated with Mortality in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.

J Clin Med (IF: 5.688) 2016 Aug 18;5(8).

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27548238

<背景>
特発性肺線維症(IPF)は、低酸素血症、身体不活動、予後不良の慢性肺疾患である。
目的は、身体活動(PA)と動作時低酸素(ED)がIPFの死亡率を増加させるかどうかを評価すること。

<方法>
34人のIPF患者(平均68歳)。IPAQ質問表、6分間歩行前後でのSpO2の差(⊿SpO2 )を評価。
40ヵ月間フォロー。
ROC曲線で、死亡率と関係するカットオフ値を算出し、Coxで危険率(HR)の算出を行った。

<結果>
死亡リスクが増加するIPAQでのカットオフ値は417METs/週(p=0.004、HR9.7)、⊿SpO2は10%以上(p=0.002、HR23.3)。

<考察>
本研究では、IPF患者において、PAとEDは著明に関係していることが分かった。
今回の結果から仮定すると、進行の予測や早期治療アプローチ(呼吸リハ、PAカウンセリング、酸素療法、肺移植)などIPFリスク層別化のために、PAとEDの評価が臨床上重要になってくる。
これらの結果から、たとえ100-105分/週の低いレベルの活動しかしていない患者でも死亡リスクが減少することと関連していた。