2019/09/23

がんで入院した患者の下肢静脈血栓症の頻度、予測因子

Frequency of venous thromboembolism events during acute inpatient rehabilitation in a comprehensive cancer centre.

J Rehabil Med (IF: 1.802) 2017 Nov 21;49(9):758-764

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28929167

<目的>
ガンセンターで入院リハビリを行ったがん患者における、静脈血栓塞栓症の発症頻度、予測因子を調べ、静脈血栓症とFIMスコア、在院日数の関係を検討すること。

<デザイン>
急性期入院リハビリを行った患者を後方視的に調査。

<方法>
ICD-9コードで深部静脈血栓症(DVT)、肺血栓症、下大静脈フィルターとされたものを対象。

<結果>
静脈血栓症は5.2%(32/611)の患者で発症。23/611はリハを始める前から入院していたおり、9人は、リハビリ中であった。
入院時に下肢浮腫のある患者はその後に静脈血栓症が発症する危険が高かった (p = 0.0218)。
リハ中に静脈血栓症を発症した患者は、リハ入院時のFIMの移乗スコアが有意に低く、リハビリ入院日数、在院日数が長かった。

<考察>
移乗のFIMスコアが低く、下肢浮腫のあるがん患者は、下肢静脈血栓症のリスクが高かった。入院時の3つの所見は、静脈血栓症の積極的監視、評価が必要かもしれない。
静脈血栓症のある患者は、リハビリ期間が長いが、最終的にFIMスコアの変化(改善)は十分ではなかった。