2019/07/04

身体機能低下は認知症発症リスクと関連するかも

Performance-Based Physical Function and Future Dementia in Older People

Arch Intern Med. 2006;166(10):1115-1120.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16717174

<背景>
身体機能と認知症の進行の関係についてはよく知られていない。身体機能が認知症の発症やアルツハイマー型認知症(AD)と関係するかを調査した。

<方法>
認知症のない65歳以上の高齢者2288人を調査。2年間追跡調査し、認知所やADの発症をメインアウトカムとした。

<結果>
319人の患者が認知症となった。ベースラインのテストで身体機能テストの点数が低い(10点以下)患者で認知症を発症したのは1000人中53.1人。
身体機能スコアが高い患者(10点以上)は1000人中17.4人。
身体機能スコアが1点低くなると認知症のリスクは1.08倍高まる。

<結論>
身体機能が低いと認知症やADの発症リスクが高まった。身体機能が低いことは、認知症やADの発症に先立って起こっており、身体機能を高く保つことは認知症の発症を遅らせるかもしれない。

・身体機能テスト
10フィート歩行時間、椅子からの5回起立時間、立位バランス、握力。
それぞれの結果を0-4点でスコア化。16点満点。