Prolonged acute care and post-acute care admission and recovery of physical function in survivors of acute respiratory failure: a secondary analysis of a randomized controlled trial
Crit Care. 2017; 21: 190.Published online 2017 Jul 21.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5521116/
<背景>
急性呼吸不全患者の生存率は向上しているが、一方、機能的な回復は十分でなく、急性期もしくはあ急性期ケアでの入院期間の延長が必要である。
これらの機能的回復の過程についてはあまり知られていない。
身体機能の回復過程や患者の年齢ごとの回復率が入院期間の延長に影響するかどうかについて検討した。
<方法>
対象は、4日以上人工呼吸管理が必要であった急性呼吸不全患者で集中的理学療法介入のRCTに参加した患者を採用。
プライマリーアウトカムは、身体機能パフォーマンススケール(Continuous Scale Physical Functional Performance:CS-PFP-10)を採用。
1ヵ月の急性期病院での入院期間遷延の予測因子は、時間、患者年齢を含む。
入院と機能的アウトカム変数の関連があるかについては、多変量複合効果直線回帰モデルで検討し、入院期間の遷延とCS-PFP-10の合計スコアの関連を検討した。
<結果>
89人の患者が対象。1カ月後も入院していた患者のCS-PFP-10スコアは20.1点で、退院した患者よりも低かった。
しかし、入院が長くなった患者の3-6ヶ月の身体機能の改善率は、入院している患者と自宅に退院した患者で違いは無かった。
年齢、APACHE-Ⅱスコア、性別で補正すると、両群のCS-PFP-10スコアは、3ヵ月よりも6か月後の方が8.2点高かった。
それぞれ患者の年齢が1歳上がるごとに、CS-PFP-10スコアの回復は036点遅くなっていた。(=高齢になるほど機能的改善の速度が遅くなる)
<考察>
急性呼吸不全後に入院期間が遷延した患者は、自宅退院した患者に比べ、身体機能が低かった。
しかし、両群(入院vs自宅退院)の機能的な回復度合いについては有意差が無かった。
生存した患者の多くは、6ヶ月時点で十分な機能的回復が得られなかった。
高齢であることは、機能的回復の遷延に負の影響がある。
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