2019/06/23

COPD増悪患者への早期リハ介入は在院日数を減少させる

Outcomes after early and delayed rehabilitation for exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease: a nationwide retrospective cohort study in Japan.

Respir Res. 2017 Apr 21;18(1):68. 


<背景>
COPD増悪患者への早期呼吸リハの効果は、議論されている。本研究の目的は、COPD増悪患者への早期呼吸リハと通常呼吸リハ(delayed)のアウトカムの比較を日本の入院患者データベースを用いて検討すること。

<方法>
日本のDPCデータベースを使用。COPD増悪にて病院へ搬送された患者で、入院中に呼吸リハを行い、自宅へ退院した患者を調査対象。
早期リハは入院から48時間以内にリハ開始と定義。
アウトカムは90日以内の再入院、入院日数、退院時ADL(Barthel index)
多重代入法(Multiple imputation)にて欠損データを採用。
早期リハとアウトカムの関係について検討するために、リスク調整した治療効果( risk-adjusted treatment effects )と個別変数法( instrumental variable methods.)を用いた。

<結果>
12572人が対象。
8459人が通常リハ、4113人が早期リハ
リスク調整治療効果モデルにおいて、早期リハは90日以内の再入院率が低く’risk difference, -3.4%; 95% CI, -5.7% to -1.5%) 、入院日数が短かった (-9.8 days; 95% CI, -10.8 days to -8.7 days)。
退院時のADLは明らかな差はなかった。
個別変数解析においても同様の結果であった。

<考察>
日本のデータベースを用いた研究において、COPD増悪患者に対する早期呼吸リハは、90日以内の再入院を減少っさせ、入院日数が短かった。

・患者選択基準:COPDが入院の主な診断、救急を利用した予定外の入院、入院中に呼吸リハを行った(呼吸器リハで算定した)、自宅退院した
・期間中2回以上入院した場合は、最初の入院のデータのみを採用
・180日以上の入院は除外

・早期リハ:入院から48時間以内に開始。通常リハ(delayed)は48時間以降に開始
・リハは早期歩行、起立、バランス練習などで運動へ誘導し、より良く歩行できるよう理学療法士が援助(詳細な内容までは記載無し)