2019/06/18

市中肺炎(CAP)患者の入院期間を減らすためのプロトコル

Effect of a 3-step critical pathway to reduce duration of intravenous antibiotic therapy and length of stay in community-acquired pneumonia: a randomized controlled trial.

Arch Intern Med. 2012 Jun 25;172(12):922-8.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22732747

<背景>
市中肺炎(CAP)患者の入院日数は、医療費に主に影響する要因であるが、非常に多くの要因がある。
目的は、3ステップのパスを用いて、安全かつ効果的に静脈内抗菌治療の期間や入院日数の減少が可能であるかを検討した。

<方法>
CAP患者401人が対象。3ステップパスは、早期モビライゼーション、経口抗菌治療への切り替え、退院もしくは通常ケアの決定。
プライマリーエンドポイントは入院日数。
セカンダリーエンドポイントは静脈内抗菌治療の期間、副作用の発現、再入院の必要、全体の死亡率、患者満足度。

<結果>
(3ステッププロトコルvs通常ケアの形で表示)
平均在院日数は3.9日vs6.0日。
静脈内抗菌治療の期間中央値は2.0日vs4.0日
通常ケアの患者のほうが副作用が多く発現した(4.5% vs 15.9%)
再入院、死亡率、満足度は両グループに差は無かった。

<考察>
3ステッププロトコルは、安全かつ効果的に抗菌薬期間と在院日数を減少させたが、患者アウトカムへの影響はなかった。
このような治療戦略は、CAPで入院した患者の経過に助言をもたらし、医療費が削減できるだろう。

・早期モビライゼーションの定義:
入院後24時間以内に、最低20分上体を起こしてベッドから離れて活動すること。
それ以降は、活動量を漸増していく。

・経口抗菌薬へのスイッチする基準:
経口摂取可能、バイタル安定(体温≦37.8度、呼吸数≦24回、血行サポートなしに収縮期血圧≧90mmHg)、主な併存症の増悪が無い、酸素化安定している