2019/06/26

肺炎で入院すると約3割はADLが低下する

Changes in physical function after hospitalization in patients with nursing and healthcare-associated pneumonia.

J Infect Chemother (IF: 1.777) 2016 Oct;22(10):662-6.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27493023


日本の高齢者で、肺炎による入院後の機能の変化を明らかにすること。医療介護関連肺炎(NHCAP)によって入院した患者を対象に、身体機能、栄養管理、栄養制限の変化について調査した。

NHCAP405人と市中肺炎(CAP)448人が対象。
NHCAP患者のうち140人(34%)は、ベースラインと退院時の間でADLが低下していた。退院後、149人(37%)のNHCAP患者は入院前と同じ場所へ戻ることができなかった。
この結果の頻度は、CAP患者よりもNHCAP患者において多かった。
転院した患者は6か月後のフォローアップにて、41人(73%)のCAP患者は自宅退院が可能であった。

栄養管理の変更の割合と経口摂取制限は、CAP患者と比較してNHCAP患者にて有意に多かった(22% vs 4%, p < 0.0001)

今回の結果では、NHCAPで入院した患者のおよそ1/3の患者が身体機能が低下していた。
加えて、NHCAPの1/5の患者は栄養管理の変更や食事制限が行われていた。
今回の結果は、高齢者の健康寿命を延ばすためには、医師は高齢者肺炎の管理において、感染後の抗菌薬に頼るよりもNHCAPの予防を行う方が重要であることを指摘した。