2019/06/18

誤嚥性肺炎に早期リハを実施することは、死亡率に影響しない

Effect of early rehabilitation by physical therapists on in-hospital mortality after aspiration pneumonia in the elderly.

Arch Phys Med Rehabil. 2015 Feb;96(2):205-9. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25301440

<目的>
誤嚥性肺炎で入院した高齢患者に対して、理学療法士による早期リハビリテーションの効果を明らかにすること。

<方法>
後方視コホート研究。日本の1161の急性期病院からデータを収集。
日本の入院データベースより誤嚥性肺炎で入院した患者を収集し、早期理学療法介入と理学療法を行わなかったグループで検討した。
早期リハビリテーションの定義は、理学療法士によって入院から3日以内にリハビリを開始し、少なくとも7日間実施した場合。
メインアウトカム:30日以内の病院での死亡率

<結果>
病院での30日以内の死亡率は早期リハ群で5.1%、コントロール群で7.1%。
多重ロジスティック回帰モデルにて、早期リハは、入院中の死亡率を減少させた(odds ratio, .71; 95% confidence interval [CI], .64-.79; P<.001)。
重症肺炎患者を除くと、早期リハの有無で死亡率に差は無かった。
操作変数分析(The instrumental variable analysis)にて、早期リハは、入院中の死亡率を減少させることが確認された。

<考察>
今回のデータは、理学療法士による早期リハは、重症誤嚥性肺炎患者を含めた早期リハが、病院での30日以内の死亡率を減少させた。


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理学療法が、死亡率を改善させるほどの効果はない?