2019/04/03

肺がん術後合併症の予測因子

Risk factors for short-term outcomes after thoracoscopic lobectomy for lung cancer.

Eur Respir J (IF: 12.242) 2016 Aug;48(2):495-503.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27174883

<背景>
いくつかの研究において、胸腔鏡下肺葉切除を行った患者における術前の身体機能の評価を含めた、術後のリスクファクターの検討はいくつかなされている。
目的は、胸腔鏡肺葉切除術を行った症例において、パフォーマンスステータスの低下や心肺合併症の予測因子を明らかにすること。

<方法>
2005年から2012年までの胸腔鏡下肺葉切除術を行ったstageⅠの非小細胞肺がん患者188例。
患者背景、臨床データ、身体機能を多変量ロジスティック回帰分析で要因を明らかにした。

<結果>
多変量解析の結果、%DLCO、大腿四頭筋力、病期ステージは術後のパフォーマンスステータスが低下する独立した予測因子であった。
COPD、6MWD、病期ステージは、心肺合併症の独立したリスクファクターであった。

<考察>
この結果から、病期ステージの進行を含め、拡散能の低下とCOPDの合併、低身体機能は術後短期間でのアウトカムの悪化と関連していた。
術前に大腿四頭筋力と6MWTを評価することは、簡便であり、手術を行う患者において有効な予測因子であるかもしれない。