2019/02/19

入院時SPPBスコアと離床時間の関係

Physical activity among hospitalized older adults – an observational study

BMC Geriatrics (2017) 17:110

https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-017-0499-z

<背景>
身体活動量の低さは、入院した高齢患者に共通しており、予後の悪さと関連している。
目的は、入院した高齢者をグループ分けし、身体活動のパターンとレベルを検討することと、身体活動に関連した因子を検討すること。

<方法>
入院後3日間、加速度計を用いて、身体活動を計測し、上体を起こしている時間を計測。
評価項目は、身体機能(SPPB)、認知機能(MMSE)、ADL(p-ADL、Bathel Index)、併存疾患の数(CIRS)。
統計解析は、単変量、多変量直線回帰モデルを使用し、従属変数は上体を起こしていた時間とした。

<結果>
38人の身体活動のデータが対象。平均年齢82.9歳
入院後1日の平均して上体を起こしていた時間は117.1分
平均SPPBスコアは4.3点
平均MMSE19.3点、73%が認知機能障害の診断あり
平均Bathel Indexは16.4点
平均CIRSスコアは17.0
SPPBスコアと上体を起していた時間に相関あり。(p=0.048)
SPPBスコアが1点上昇するごとに、起きている時間は11.7分増えていた。
年齢、認知機能障害、p-ADL、CIRS、と起きている時間に関連は無かった。

<考察>
入院後の1日のうち、患者が起きている平均時間は、およそ2時間であった。
これは、同様の研究結果と比べて、高い身体活動をしめしていた。
身体機能は、SPPBで示される身体活動と関連のある唯一の変数であった。SPPBは
有効なスクリーニングツールであり、身体機能の低下した患者に対してルーチンに行うべきモビライゼーションの評価(regimes)である。


・患者の90%は救急入院であり、ほとんどがフレイル、様々な併存症などがある。感染や心疾患をきっかけに、認知機能や活動制限、バランス障害、栄養障害などが出現した患者。
・エビデンスに基づいた治療やケアを実施。
急性期リハは5-7日実施。自宅退院が主な目標。

SPPBスコアと起きていた時間

時間帯と起きていた時間(n=38)
昼間でも、平均40分ほど(しか?)起きている