2019/02/02

SPPB4点以下は再入院率が高い

Predictive Value of the Short Physical Performance Battery Following Hospitalization in Older Patients

J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2011 Jan; 66A(1): 89–96.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3011958/

<背景>
繰り返す入院は、ストレスフルであり、高齢者の危険なイベントである可能性がある。
今回、高齢患者を対象に、入院から退院後1年間の機能低下、再入院、死亡をSPPBで予測、評価した。

<方法>
87人の患者、65歳以上、歩行可能、MMSE≧18点
診断は、うっ血性心不全、肺炎、COPD、微小脳梗塞
入院時にSPPBを評価し、退院時と退院1カ月後に再評価。
その後3か月ごとに電話で機能低下や新たな入院、バイタルについてフォローした。

<結果>
ADLや併存症などの交絡因子調整後、退院時のSPPBはADL制限と特に相関していた。
多変量離散型生存分析(multivariable discrete-time survival analysis)において、退院時SPPBスコアが低い(0-4点)患者は、スコア良好(8-12点)の患者と比べて再入院や死亡リスクが高い(OR;5.38)
退院後早期にSPPBスコアが減少した患者も、次の年にADL制限が増加したり、再入院の高いリスクが高くなっていた。

<考察>
入院した高齢急性疾患患者において、SPPBは重要な予後情報を提供する。
パフォーマンス状態が低い患者は、退院後のアウトカム不良であるリスクが高い。


・退院時のSPPBの点数で3群に分け(0-4点、5-7点、8-12点)比較
左)退院時SPPB別の新たなADL制限の出現率
右)退院後1カ月でのSPPB変化
crude incidence rate:罹患率