J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2008 Dec;63(12):1393-8.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6138871/
<背景>
機能評価は多面的な高齢者を評価する重要なものである。
しかし、急性期病院における標準的なパフォーマンスの値は知られていない。
目的は、急性期病院に入院した高齢者におけるSPPBの短期間の予測値と臨床的な相関を検討すること
<方法>
対象は、92人の女性、65人男性。歩行可能、MMSE18点以上
疾患は、うっ血性心不全、肺炎、COPD、微小脳卒中
SPPBは入院時と退院時に評価
ADLと手段的ADL(IADL)を患者の自己報告で評価
スペアマンの順位相関係数、多変量直線回帰分析でAPPBスコアと機能的特性、入院期間との関連を検討
<結果>
平均年齢77.7歳(65-94歳)。49%女性、
うっ血性心不全64.1%、COPD16%、肺炎13.1%、微小脳卒中6.5%
入院時の平均SPPBスコアは6.0 ± 2.7点
SPPBスコアは、年齢、疾患重症度、2週間前のIADLとADL制限と逆相関、MMSEと相関を示した
退院時には、入院時SPPBスコアから平均して1点上昇する
交絡因子を調整した後、ベースラインSPPBスコアは入院期間と強く相関していた
<考察>
高齢で急性期ケア入院をした患者は、SPPBは、機能的状態を示す妥当な指標である
入院時SPPBスコアは、入院期間の独立した予測因子である
・対象基準:65歳以上、数m歩行可能
・ADLは6つのIADL(電話をかける、車や公共機関で外出、買い物、掃除、金銭管理、服薬)を評価。
・それぞれの動作を介助無しに行えるかを尋ね、「いくらか難しい」「とても難しい」「助けなしに出来ない」で回答。評価対象期間は入院前2週間。
・SPPBの評価は、入院後48時間以内に実施
・その他評価として、抑うつ(CES-D)、併存症など
・平均在院日数は9.8日
退院時には約1点増えている |
・SPPBスコアが良好(8-12点)の患者は、低スコア(0-4点)の患者よりも入院日数が平均4日短かった
・併存症やADLの状態を調整してもなお、2.5日入院日数が短縮していた
・SPPBスコア1点上昇は0.5日の短縮と関連していた
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リハ介入は無さそうなので、疾患の治療だけでSPPBは1点は改善するということ?