2019/01/17

入院中の歩数と再入院の予測

Inpatient walking activity to predict readmission in older adults

Arch Phys Med Rehabil. 2016 September ; 97(9 Suppl): S226–S231.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5325689/

<目的>
高齢の急性期重症患者の入院中の歩行活動と入院中のADLを用いて、30日以内の再入院の予測について比較すること。
加えて、最短で再入院した時点において、介入の目標をサポートできることを目的とした予備的歩行閾値の識別を算出した。

<方法>
前向き、臨床コホート研究。入院中の歩数は、加速度計を用いて測定。ADL機能は、入院から48時間以内に評価。
急性期病院で実施。
参加者は、169人の65歳以上の救急患者
介入はなし。
主なアウトカムは、退院後30日以内に再入院したか(yes or no)

<結果>
26人の患者(15.8%)が退院後30日以内に再入院した。入院中の歩行活動は、ADL機能よりも、30日以内の再入院と強く関連していた(OR: 0.90; CI: 0.82-0.98)
正確な予測モデルは、歩行活動にADLを少し加えたものであった。
歩行の最低閾値は1日275歩以上歩くと、30日以内の再入院リスクは減少した。

<考察>
歩行活動は、ADLよりも再入院を強く予測した。
入院患者の活動をモニタリングすることは、ADLを評価することよりも、早期再入院に関する有益な情報を提供する。
今後の研究で、これらの結果を再現することが必要であり、入院後の活動をモニタリングすることで、さらに再入院リスクに関する理解が進むだろう。


・対象患者:市中から入院した65歳以上で、入院2週間前まで、補助具の有無に関わらず、室内移動可能であった。
足首に歩数計が着用できる。
疾患は、循環器疾患、呼吸器、感染症、胃腸、内分泌疾患。
筋骨格疾患、神経疾患は除外。
199人中、データをすべて収集できたのは164人。

・歩行活動の評価
病院での24時間の歩数を測定。
入院中の平均歩数を計算。
2軸の歩数計(StepWatch Activity Monitor)を使用。臥位での下肢運動はカウントされない。
入浴や検査のときのみ外せるが、それ以外は24時間装着。

・ADL機能
Katz ADL scaleを使用。ADL動作ごとの困難さや自立度のレベルを評価。
評価のタイミングは入院後48時間以内。
入院前2週間の状態に関しても同様に評価。

患者特性
再入院の方が、高齢、ADL低下、心疾患、呼吸器疾患が多い、平均歩数が少ない
在院日数は、4-6日


再入院の予測カットオフ
カットオフとして最も良さそうなのは、475歩か