Increased mortality in patients with severe COPD associated with high-intensity exercise: a preliminary cohort study
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016; 11: 2329–2334.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5044988/
<背景>
運動の強度は、COPD患者のリハビリの効果を決める重要なものであると信じられている。我々は理学療法士主導で行い、息切れのマネジメント教育なども同時に行う高強度の運動が、自己管理の良い結果や、救急サービス利用減少や入院の減少をもたらすと仮定した。
<方法>
2013年に4つのリハビリコース(春夏秋冬)を計画した。それぞれ8週間で、8-10人の患者が参加。
この予備的な研究は、コントロールされたコホート研究としてデザインされた。
春と秋のコースは、隔週で高強度の運動セッション(推定VO2maxの95%の歩行をできるだけ長く)を実施。
その他2つのリハビリコースは、通常の歩行練習の強度(VO2maxの85%)で実施。
入院率は、18ヵ月間の患者のカルテを参照した。
<結果>
計31人の患者が参加(15人が高強度、16人が通常強度)
入院率は、両グループに差は無かった。
しかし、高強度運動を行ったグループでは、通常強度と比較して死亡率が目立っていた(5人vs0人)。
亡くなった5人中4人はCOPD増悪であった。カプランマイヤーで推定した生存率の符号順位検定の様(p=0.019)に、フィッシャーの正確確率検定で違いが明らかであった(p=0.046)。
<考察>
小規模の予備的なコホート研究の結果から、重症COPD患者の高強度運動は、重篤なリスクと関連している可能性について懸念を示した。
・高強度運動グループのメニュー
推定VO2maxの95%でできる限り長く歩行練習、全身筋持久力・筋力トレーニング、自転車で心肺トレーニング、エルゴメーター、ステップマシン
・通常運動グループのメニュー
推定VO2maxの85%の歩行と前述の運動内容
・8週間の呼吸リハプログラムを実施し、運動習慣と指示されたメンテナンスプログラムの継続を実施。内容は、個別の運動(DVD)もしくはリーフレットを渡した。
・対象患者:FEV1.0 0.88L、%FEV1.0 35.44%
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高強度が死亡リスクを増加した考察は触れられておらず、研究限界についての考察が多かった。
活動量がどの程度であったかは影響ありそうだが、短期集中でしても予後は改善しないという結果。VO2maxの85%の運動も十分高強度だと思うが。。
VO2maxの85%を目指しての運動が目標で良いのかな。