International Journal of COPD 2018:13 2685–2693
https://www.dovepress.com/articles.php?article_id=40193
<背景>
大腿四頭筋力の測定は呼吸リハを行っているCOPD患者に対して推奨されている。しかし、最高大腿四頭筋力(quadriceps maximal voluntary contraction:QMVC)の評価ツールや患者へ影響を与えるような離床的な関連性は未だ議論の的である。
この研究の目的は、呼吸リハを行っているCOPD患者に対して修正したダイナモメーターを使用してQMVCを測定し、最小有効改善(MID)を推定すること
<方法>
呼吸リハを行っているCOPD患者を対象。ダイナモメーター(MicroFET2)を標準化された測定法によって固定して測定できるように修正した。
評価項目は、6MWT、SGRQ、HADS
評価のタイミングは、ベースラインと呼吸リハ終了時
MIDは、分布ベース(distribution-based)で推定した。
<結果>
157人が対象(平均年齢62.9歳、%FEV1.0 47.3%)
呼吸リハ終了時、大腿四頭筋力は 8.9±15.6 Nm 向上。
同様に、6MWTは 42±50 m、SGRQ totalは-9±17点、HADSは-3±6点の改善。()いずれもp<0.001)
MIDは、ディストリビューションベースを用いた経験則による効果量(empirical
rule effect size)では、7.5 Nm。
Cohen's効果量( Cohen’s effect size )では7.8 Nm。
<結論>
修正したダイナモメーターで測定したQMVCは簡単であり、呼吸リハ後の大腿四頭筋力の改善を評価するために十分なものであった。
呼吸リハ介入による有効な変化量(MID)は7.5Nmと推定した。
※1Nm≒0.1kgfm
・フランスでの多施設共同のコホートスタディ
・患者は、外来もしくは入院にて評価を実施(肺機能や運動負荷試験など)
・呼吸リハは推奨されているような、運動や教育を含んだものを外来や入院、在宅にて実施
・大腿四頭筋力測定はFET2を使用。
MMT膝伸展測定の姿勢で、内果から5cm上に測定機器を固定。膝関節中心から測定ポイントまでの距離を測定。3回測定し最高値を採用。
【MIDの計算】
empirical rule effect size:0.08×6×SD(end-baseline)
Cohen’s effect size :0.5×SD(end-baseline)
アンカーにしたのは、6MWT30m、SGRQ -4点
・患者の平均年齢63歳、BMI26、mMRC2、6MWD392m、SGRQ53点、BODE index4点
6MWD(縦軸)とQMVC(横軸)の改善の分布 6MWD30m改善するとQMVC7.5Nmの改善とおおよそ一致 |
SGRQ(縦軸)とQMVC(横軸)の改善の分布 SGRQが4点改善するとQMVC7.5Nmの改善とおおよそ一致 |
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リハ期間や内容についての詳細は不明。