2018/07/26

なぜCOPD患者は外来呼吸リハを継続できないか

Why are COPD patients unable to complete the outpatient pulmonary rehabilitation program?

Chron Respir Dis. 2018 Jan 1

http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1479972318767206

<背景>
この研究の目的は、外来呼吸リハプログラムを完了できなかった患者の背景と臨床特性を比較すること。

<方法>
COPD患者は、2グループに分けられた:プログラムを完了したグループ1と、完了できなかったグループ2。
プログラムを完了できなかった患者には、電話でコンタクトをとり、なぜプログラムへの参加を中止したのかを尋ねた。

<結果>
グループ2では、喫煙している患者の数、ネブライザー、長期間酸素療法、緊急入院、息切れの割合が高かった。
%FEV1.0、運動耐容能、QOLは低かった。
社会背景では、グループ2は教育レベルが低く、独居が多かった。
プログラムを阻害する要因は、モチベーションの欠如(49%)、交通の問題(23.8%)、COPD増悪(18.4%)、仕事による理由(4.8%)、入院(4.1%)

<考察>
喫煙者と重症COPD患者は様々な理由でプログラムを完了することができなかった。特に、モチベーションの欠如は医療従事者にとって特に重要な情報で、ポジティブな姿勢で患者に接していく必要がある。

・トルコのクリニックで8週間の外来呼吸リハが行われた
・参加基準は、安静時の息苦しさがある、もしくは気管支拡張薬を使用している。
・呼吸リハ完了群をグループ1、脱落群をグループ2に分けて、リハ開始時のデーターを比較。

・脱落の基準は、開始時の評価には参加していたが、すべてのプログラムを始められなかった場合、もしくは、3回連続で不参加であった場合
・脱落者には、電話で参加しなかった理由を聴取

呼吸リハに参加しなかった理由。半分近く(49%)がモチベーションの欠如を理由としている。
・今回の対象者では、喫煙者や長期間酸素療法を行っている患者、前年の救急受診があった患者、独居の患者、教育年数が低い患者は、プログラムを完了できない割合が多かった。
・加えて、1秒量と6MWDが低い患者や息切れが強い患者はQOLが低下していた。
・1秒量はリハを完了できた患者で低かったため、肺機能が必ずしも影響するわけではない。
・医師からの前向きな働きかけが、プログラムのコンプライアンスを向上させたという報告もある。

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リハを始める前の評価から、初回運動に至るまでに半分が脱落しているという結果。状態が悪化する前から開始することが必要。
どの疾患でもそうだが、導入がスムーズにいくことが何より大事。
医者の声掛けひとつで患者の行動を変えられるのは、ほかの国でも同じなのかもしれない。