2018/05/20

ICUでの運動:4種類の運動強度を比較

Comparison of exercise intensity during four early rehabilitation techniques in sedated and ventilated patients in ICU: a randomised cross-over trial

Crit Care. 2018; 22: 110.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5923017/

<背景>
ICUにおいて、離床(out-of-bed rehabilitation)はしばしば遅れており、ベッド上での運動は一般的に低強度である。リハビリテーションの大部分はベッド上でおこなわれているため、運動は高強度で行われる。この研究の目的は、ICUで鎮静、挿管管理されている患者に対して、4種類のベッド上での運動を行い、どれが最も効果的であるかを明らかにするために、身体的な効果を比較すること。

<方法>
無作為化、単盲検、プラセボ対照交差試験で実施。
4種類の運動は他動的ROM、他動的自転車エルゴメーター、大腿四頭筋電気刺激、機能的電気刺激(FES)サイクリング。
それぞれの運動は人工呼吸管理で鎮静管理されている患者に10分間実施。
心拍出量をドップラーサウンドで評価。
2つ目の目的は運動中の右心機能、肺動脈圧と収縮期血圧、外側広筋の微小循環を評価すること。

<結果>
19人の患者が対象。FESサイクリングが唯一心拍出量の増加を認め、平均1L/min(15%上昇していた。
筋酸素摂取量の増加を伴っており、筋活動の出現を示唆している。
FESサイクリングは、このように早期リハ介入の内容として効果的である。
他動的な方法では、筋肉や全身の効果は無かった。

<結論>
多くのベッド上での運動は低強度で低い筋活動レベルである。FESサイクリングは、心拍出量と十分な筋活動を提供できる唯一の運動であった。
今後、FESサイクリングの機能的な長期効果を検討していくべきである。


・FESサイクリング(RehaMove®):膝伸展筋の筋活動に同調して電気刺激を加えながら時エルゴを行う。
今回は、ペダルの回転数は20回/minで設定

・4種類の運動を間に30分ずつ休憩をはさみ、循環機能がベースラインに戻ったのを確認してから次の運動を実施。実施する順番は無作為にLatin square designで決定

・主なアウトカムは、ベースラインと3分ごとの心拍出量。

・対象患者の平均年齢は65.3歳
・主な疾患:肺炎4名、敗血症1名、COPD増悪1名、心不全3名、薬物過服用5名、術後敗血症5名
・併存症:慢性呼吸器疾患6名、肥満9名、慢性心不全5名、がん1名、慢性腎不全3名、糖尿病7名
・人工呼吸使用期間中央値:4日(平均PS15cmH2O、平均PEEP7cmH2O、FiO2 35%)


各運動中の心拍出量
FESサイクリングのみ上昇

それぞれの運動終了後のヘモグロビン
赤:酸化ヘモグロビン
青:還元ヘモグロビン
緑:全ヘモグロビン
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ベッド上でも方法によっては、負荷をかけて運動できるということか。
それがいいのか悪いのか。。。