2018/05/24

急性期の患者への酸素投与は控えめが良い

Mortality and morbidity in acutely ill adults treated with liberal versus conservative oxygen therapy (IOTA): a systematic review and meta-analysis

The Lancet . May 01, 2018

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)30479-3/fulltext

<背景>
酸素療法は急性期疾患の患者に対してよく行われるが、このエビデンスの信頼性に関しては明らかになっていない。
このレビューでは、酸素療法を保守的(控えめ)に行うことと、積極的に行うことの効果と安全性について検討した。

<方法>
RCTで急性期患者に対して酸素療法の保守的と積極的投与を比較している論文を抽出。
慢性呼吸器疾患、精神疾患、体外生命装置、高圧酸素療法、手術待機患者は除外
主なアウトカムは、死亡率(入院において、30日後、フォロー期間最後まで)、罹患率(活動制限のある期間、院内肺炎のリスク、院内感染、入院期間)

<結果>
25本のRCT、16037人の患者が対象。疾患は、敗血症、重症疾患、脳卒中、外傷、心筋梗塞、心停止で、緊急手術を行われている患者。
保守的酸素投与と比較して、積極的酸素投与(ベースラインの中央値SpO2 96%)は、入院中、30日後、フォロー期間最後の死亡率が増加していた。
罹患アウトカムは両グループとも似ていた。

<解釈>
急性期の成人患者において、積極的酸素療法が患者の重要なアウトカムの改善無く、制帽率を高めるという高いエビデンスを示した。
酸素療法は、SpO2が94-96%の範囲を超えると不都合な結果となるかもしれない。この結果は、酸素療法の保守的な投与を支持する。

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呼吸器疾患は除外されているとこは注意