2018/05/07

脳卒中後、画一的な運動療法の効果は徐々に減少していく

Locomotor Training and Strength and Balance Exercises for Walking Recovery After Stroke: Response to Number of Training Sessions

Physical Therapy, Volume 97, Issue 11, 1 November 2017, Pages 1066–1074

https://academic.oup.com/ptj/article/97/11/1066/4082915?searchresult=1

<背景>
エビデンスに基づいたガイドラインが、脳卒中後の歩行能力の改善における、運動セッションの効果的な回数を含めて、リハビリテーションの実施内容として求められている。

<目的>
2つの介入方法(歩行トレーニングと筋力とバランス練習)で改善の反応のあるトレーニングの回数を検討した

<対象>
カリフォルニアとフロリダの6つのリハビリテーションサイトで自宅にいる患者347人
少なくとも3m(10feet)アシスト付きで歩けて、介入セッションの必要な回数を行えた患者

<介入方法>
36回介入(週3回を12週間)、1回90分。
歩行練習(免荷トレッドミル歩行とグラウンド歩行)もしくは筋力とバランス練習を実施

<評価>
10m歩行速度、6MWTをトレーニングの前と12回目、24回目、36回目の介入時に評価

<結果>
脳卒中後2-6か月後の参加者において、36回目の歩行速度と歩行耐久性の改善が得られた
。しかし、介入方法や重症度に関わらず25-36回のセッションにおいて、改善度合いは徐々に減少していた。

<結論>
地域で生活している2-6か月後の脳卒中患者は、36回の歩行練習もしくは筋力、バランス練習によって、歩行速度と歩行距離が改善することを示した。
しかし、24回目以降の改善はわずかとなる傾向であった。
個別の改善の軌跡を追跡することが、計画的な治療において必要である。