2018/04/17

COPD増悪から回復が長引く患者の特徴

Impact of Prolonged Exacerbation Recovery in Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Am J Respir Crit Care Med. 2015 Oct 15;192(8):943-50.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26151174

<背景>
増悪は、COPDの自然経過において、重要で異質なイベントである。COPD患者において、増悪の回復が長引いた結果について検討した。

<方法>
384人のCOPD患者(FEV1 % predicted 45.8、平均増悪回数2.13回/年)を平均1039日追跡。
患者は、日々の呼吸器症状の悪化、ピークフロー(PEF)、安定期の3か月ごとの肺機能検査、SGRQを記録。
増悪の定義は、2日連続して、呼吸器症状が1つ以上増悪していること。増悪期間は、2日連続して症状が増悪した日からPEFが増悪前のレベルまで回復するまでの期間とした。

<結果>
351人が1回以上の増悪を経験。増悪期間が長期間(平均14.5日)になった患者は、SGRQ合計が悪かった。長期間の有症状期間は増悪の回復と次の増悪までの間隔が短いことと関連していた。257(7.3%)の増悪では、PEFが99日以内に回復しなかった。これらの増悪は、ウイルス感染(風邪や喉の痛み)の症状と関連していた。
これらの回復しなかった増悪患者は、1秒量が年間10.8ml早く減少していた。

<考察>
増悪症状の長期化は、健康状態の悪化と新たなイベントリスクが高かった。肺機能において、増悪によって回復しないことは、ウイルス感染と1秒量の減少を加速されることと関連していた。

・増悪期間(回復までの期間)は、呼吸器症状の増強した日から日数を数える。
・最初に2日連続で症状が無い日を増悪から回復した日として判断。
・PEFの回復は、増悪した日から増悪前の14かと8日前の平均値まで回復するまでの日数を記録。
・PEFが増悪後99日を超えて回復しなかったら、回復しなかったと判断。

・平均年齢68.6歳、FEV1.0 1.15L(45.7%)FVC 2.55L
・増悪回数2.13回/日

A:PEFの経時的変化
B:回復しなかった患者のPEFの経時的変化
C:回復した風邪症状(△)と回復しなかった風邪症状(□)の経時的変化
D:回復した咽頭痛(△)と回復しなかった咽頭痛(□)の経時的変化

1秒量の経時的変化
増悪すれば、1秒量は減少するが、回復しなかった群は、急激に減少している。
喫煙者で回復していても、1秒量の低下速度は回復しなかった患者と近いように見える。

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運動耐容能や活動量はどうなんだろうか。