Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29497289/?i=7&from=copd
<背景>
COPD増悪は、冬に多いことは知られているが、入院と死亡率に特化した情報は僅かである。目的は、COPD患者の季節ごとの死亡率や増悪の変数について検討すること。
<方法>
TIOSPIR® trialは、大規模多施設共同研究で、チオトロピウム(スピリーバ)のハンディへらータイプとレスピマットのデバイスを使用して、安全性と有効性を検討した試験。
患者は40歳以上、喫煙歴10pack-year以上、SABA吸入後の1秒率が70%未満。
COPD増悪と死亡は、研究を通して観察された。データは、季節パターン別に蓄積した。
南半球のデータは、6か月ずらして、北半球の季節と合わせた。
<結果>
43の北半球(n=15,968)、7つの南半球(n=1,148) の国のデータを採用した。
治療期間の中央値は835日、平均フォロー期間は2.3年。
19494の増悪が報告され、明らかに季節によって違いがあった(冬34.1%、春23.2%、夏16.4%、秋26.3%)
増悪のピークは冬の初め頃で(北半球の12月、南半球の6月)、呼吸器関連の入院は冬の中盤に多く、死亡は春の初めに多かった。
<結論>
冬は、夏と比べて、COPD増悪の危険率が2倍であり、呼吸器関連の死亡は春の初め頃に多かった。これらのデータは、季節ごとに予防的治療を強化することが、COPD罹患率や死亡率に影響するかもしれないことを示唆した。
・増悪の定義は、2つ以上の呼吸器症状が新たに出現し、3日以上連続しており、治療の変更が必要であった場合。
・増悪は、軽症(新たに気管支拡張剤を追加)、中等度(抗生剤やステロイドの投与、入院はしない)、重度(入院が必要)に分類。
・対象の平均年齢64.9-66.1歳。アジア人が14.9%(北半球)、3.9%(南半球)含まれている。
A:全体の増悪、B:全体の重症増悪、C:最初の増悪、D:最初の重症増悪、E:増悪の発生率 12月ごろの増悪が60%近くを占めている。 |