Outcome After Mobilization Within 24 Hours of Acute Stroke
Stroke. 2012;43:2389-2394
http://stroke.ahajournals.org/content/43/9/2389
<背景>
超早期モビライゼーションは脳卒中ユニットの有効な効果をもたらすと考えられているが、モビライゼーションを開始する最適な時間に関しては明らかになっていない。
入院後24時間以内のモビライゼーションが、24-48時間にモビライゼーションを行った場合と比べて、3か月後のアウトカムの低下を防げると仮定した。
<方法>
前向き、無作為化比較対照試験で実施。入院後24時間以内の早期モビライゼーションと24-48時間にモビライゼーションを行う群(コントロール群)に分けた。
プライマリーアウトカムは、低いアウトカム(mRS3-6)の割合。
セカンダリーアウトカムは、死亡率、神経障害の変化(NIHSSスコア)、自立度(Bathel Index0-17)。
<結果>
56人の患者が対象(平均年齢76.9歳)27人が早期モビライゼーション、29人が子tのロール群。
早期モビライゼーション群は、低いアウトカム(OR2.7)や死亡率(OR5.26)、低い自立度(OR1.25)のより高いオッズではなかった。(入院時のNIHSSで調整)
コントロール群において、軽症の脳卒中(NIHSS7.5)は、神経的なより良い改善が得られた。(p=0.02)
<結論>
入院後24時間以内のモビライゼーションを行った患者において、悪いアウトカム、死亡率、自立度に影響する傾向が高かった。そして、24-48時間にモビライゼーションを行った患者は、神経的な機能の改善が得られた。
急性期脳卒中後に超早期もしくは遅れてモビライゼーションを行うことは、まだ議論され、大規模な研究の結果が必要。
・超早期モビライゼーションの内容;入院後できるだけ早くベッドから離れてのモビライゼーションを行う。モビライゼーションの意味は、PTやOTや看護師によりベッドから離れて行う活動のこと。脳卒中患者の標準的なモビライゼーションを実施。
・モビライゼーションのプロトコルに、運動の種類や量は明記されておらず、全てのモビライゼーションは、患者の必要性や活動性により調整した。
・モビライゼーションの量や種類は、出血性か梗塞性かによる違いは無い。
・1日数回に分けてベッドから離れているが、時間や期間は決められていない。
・モビライゼーションの開始時間以外は、両群とも標準的な脳卒中ユニットケアを受けた。
・ the National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)は12項目、合計36点の評価。神経障害の程度を評価する。
軽症:8点未満、中等症8-16点、重症17点以上
・modified Rankin Scale(mRS)は0-2点は良好、3-6点は不良と判断。
・Bathel Index18点以上をADL自立と判定。
・NIHSSスコア:入院時7.2vs7.5、3か月後3.3vs2.0、入院と3か月後の差3.9vs5.5
→コントロール群の方が、NIHSSスコアの改善が大きく、3か月後の症状も軽症が多い
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超早期介入は、3か月後のアウトカムの改善に対する影響は認められなかった。