2018/04/29

半側空間無視のリハにサッケード眼球運動を行った効果

The Effect of Visual Scanning Exercises Integrated Into Physiotherapy in Patients With Unilateral Spatial Neglect Poststroke


Neurorehabil Neural Repair. 2014 Nov-Dec;28(9):856-73. 


<背景>
半側空間無視(USN)は、身体の一側の認識と感覚統合が行えないことを伴う視覚障害で、結果として、片側の無視が生じる。USNのある脳卒中患者は、広範囲の機能障害と治療期間が必要である。

<目的>
USNのある脳卒中患者に対して、視覚探索運動であるサッケード眼球運動を、USNの課題特異的な活動として統合して行うことの効果を検討すること。

<方法>
無作為化試験で行った。機能的な活動レベルが同等なコントロール群(n=12)と治療群(n=12)に分けて検討。全ての患者は、課題特異的な活動を4週間集中的に行った。治療群は、視覚探索運動の課題特異的な活動としてサッケード運動を追加した。
毎週、介入の評価を行った。

<結果>
統計的に明らかな違いがthe King-Devick Test 、Star Cancellation Test 、 Barthel Index において認められた。

<考察>
視覚探索課題との課題特異的な運動としてサッケード眼球運動はUSN患者に有効であった。この結果は、これまでの文献で述べられてきたものによっても支持され、サッケード眼球運動が介入アプローチとしてVSEが著しく効果的であることを示した。
視覚認知の変換過程を改善し、視覚機能やADLパフォーマンスを改善させるだろう。


・対象は、19-74歳の脳卒中(梗塞、出血)で受賞から1-3週以内の患者。
MMSE7点以下、GCS14点以下、精神疾患、併存症がある患者は除外。
・対象者は、the Stroke Activity Scale (SAS)でレベルが均等になるように2群に分けられた。患者にはどちらに振り分けられたかは明示しない。
・サッケード運動:
・課題思考型トレーニングの内容
step1:課題実行中のエラーを見つける。その課題を解決するためのトレーニングを考案
step2:3つのスキルを選択し、それぞれのセッションで実行。
step3:ミスしたところを強化する課題のトレーニング
step4:step2とstep3の課題をバランス機能のレベルに応じて機能的な課題の練習をする

・介入群は、上記トレーニングに加えて、サッケード運動をデュアルタスクとして行う。
理学療法セッションは平均45分。OTやSTの介入時間は含まれない。

the Star Cancellation Testの結果。介入群が優位に高い。

Bathel Index。介入群の方がADLが改善している。