2018/04/26

半側空間無視の改善には脳内ネットワーク接続の正常化が関係

Normalization of network connectivity in hemispatial neglect recovery

Ann Neurol. 2016 July ; 80(1): 127–141

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ana.24690

<目的>
半側空間無視のある脳卒中患者で空間と非空間の注意障害は、受傷2週間後の大脳半球間の広い範囲での代償と大脳半球間の機能的な接続(FC)が関連していたことを、最近報告した。
無視の改善のメカニズムについてはほとんどしられていない。
この研究では、空間無視の回復が脳内ネットワークの接続の回復(ネットワークの正常化)と関係していると仮定して検討した。

<方法>
神経心理学的評価で注意障害を評価し、脳卒中患者の大規模コホートにおける機能的接続を発症から2週間後、3か月後、12か月後に評価した。
行動的な改善とFCの変化の関係を解析した。

<結果>
注意障害は3か月で完成しており、多くのネットワーク間での不自然な機能的接続の正常化と関係していた。
注意障害の改善は、最初の重症度と独立して、大脳半球の機能的接続の抑制が、注意や感覚、運動ネットワークを経由して改善され、背側の注意/運動領域とデフォルトの前頭頭頂領域が反相関であることと関係していた。

<考察>
この結果は、半側空間無視において不自然なネットワーク接続が、行動的に同等であることを示した(ネットワーク接続と症状の改善が関係していた)。
正常なネットワークの相互作用は、おそらく、最適な情報処理であり、したがって、システムレベルでのメカニズムは、注意の回復と関連しているであろう。

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注意障害が完成する3ヵ月までに大脳半球間でネットワークを作り上げていく作業が必要。
多くの刺激(感覚入力)が回復につながるのか?