2018/03/14

脳卒中急性期にPTOTSTで関わると、短期間での再入院が減少する

Association of Rehabilitation Intensity for Stroke and Risk of Hospital Readmission

Physical Therapy, Volume 95, Issue 12, 1 December 2015, Pages 1660–1667

https://academic.oup.com/ptj/article/95/12/1660/2888275

<目的>
脳卒中急性期ケアにおけるリハビリテーションサービスの強度と30日、90日以内の再入院リスクの関係について検討すること。

<デザイン>
アーカンソー州とフロリダ州におけるすべての急性期病院を対象にした後ろ向きコホート研究

<方法>
64065人の患者が対象。リハビリテーションの強度は、それぞれの病院でのPT、OT、STの介入を合計して、無し、低強度、低中強度、中高強度、高強度に分類。
Coxハザード回帰モデルで背景、疾患重症度、併存症、病院の誤差、州を調整して、危険率(Hazard Ratios)を算出。

<結果>
最も低強度で行われていた患者に対して、より高い強度で介入していた患者は30日以内の再入院リスクが減少していた。
高強度グループは、最も再入院リスクが低かった(HR=0.86)
治療を受けていない患者は、低強度のリハ患者に対して、再入院リスクが高かった(HR=1.30)
90日以内の再入院についても影響は小さかったが、同様であった。
更に、より高強度のリハを行った患者は、より低強度のリハ患者と比べて、併存症が多く、重症であった。

<結論>
脳卒中急性期におけるリハビリ療法の強度は、再入院リスクの減少と関連していた。


・ここで言われている、リハの強度は、PT/OT/STの各療法の関わった量(時間?)の合計のこと。
・全対象者の2/3は入院中にリハを受けていた。
・リハを行わなかった患者は、若年、男性、白人、民間の保険に加入していた。また、併存症が少なく、慢性期の状態で、自宅退院が多かった。
・高強度で関わったグループは再入院率は高かった。

・患者背景や併存症、慢性疾患の数、疾患重症度などで調整して、解析すると、高強度で関わったグループが最も再入院リスクが低かった。


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PT/OT/STで関わるほど、再入院は防げるかもしれないが、疾患の背景や併存症の状態によるところが大きい。
脳卒中だけでなく併存症の管理も視野にいれておく必要がある。