Are Contents of Physical Therapy in Nine Japanese Hospitals for Inpatients with Stroke Related to Inpatients’ and Physical Therapists’ Characteristics?
J Phys Ther Sci. 2013 May; 25(5): 641–647.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3804984/
<目的>
脳卒中リハビリテーションにおける理学療法が、提供している活動の内容について調査すること。
<対象>
216人の脳卒中患者と85人の理学療法士からデータ収集。
<方法>
9つのリハビリテーション施設において記録された入院脳卒中患者の機能的活動のために費やした時間を調査。
それらを独立した変数として扱った。
理学療法士の特性;経験年数、性別、影響をうけた治療コンセプト
対象患者の特性;年齢、性別、麻痺側、脳卒中後の日数、modified Rankin Scale,
FIMの歩行能力
<結果>
歩行準備、歩行練習、地域での活動性はmRSとFIM歩行能力と相関していた。
その他の機能的活動に費やした時間は患者の特性とは弱い相関であった。機能的活動に宇費やした時間と理学療法士の特性にはほとんど相関が無かった。
<結論>
機能的活動に費やした時間と理学療法士の特性の関係は、患者の特性よりも関係性が乏しかった。
脳卒中の理学療法は多くの要素が含まれている。
・脳卒中のリハビリテーションは未だブラックボックスであり、理学療法の項目が改善するものは僅かしか知られていない。
・群馬県と埼玉県の9つの施設に対して調査を依頼。
・脳卒中のリハビリの中で行っている項目を質問;機能的な準備運動、ベッド上の運動、歩行、補助具を使用した歩行、地域での活動、その他。
・1回のセッションで各介入方法に費やしている時間を計算。
・対象理学療法士の平均年齢27.1歳、平均経験年数3.6年
・影響を受けた治療コンセプトは、多い順に神経学的治療(NDT)、神経筋促通手技(PNF)、課題思考型アプローチ。
・患者の平均年齢71.2歳、受傷後平均173.9日経過。216人の患者が648回の理学療法セッションを実施。平均リハ時間は44分。
142人脳梗塞、64人脳出血、10人クモ膜下出血
・患者の年齢と歩行準備、歩行に費やした時間は相関があった。歩行準備活動、補助部歩行、地域活動の時間とmRS、FIM歩行能力は中等度の相関を示した。
・PT経験年数と準備運動、起立、その他活動に費やした時間は弱い相関を示した。
・NDTに影響を受けたセラピストは、歩行準備運動に費やす時間の割合が多かった。
・この研究では、セラピストは歩行、準備活動、座位、起立練習に多くの時間を割いていた。他の(海外の)研究と比べて、活動に割いた時間が短かった。
・これは、日本の脳卒中治療の特性であろうが、それらのアプローチが有効かについては明らかになっていない。
ーーーーーーーーーーーーー
特定の手技を行っても、機能的改善はたかが知れいている。
活動時間をもっと増やしてもいいんじゃないか?