2018/03/20

低強度の活動でも死亡リスク減少に効果あり



Associations of total and type-specific physical activity with mortality in chronic
obstructive pulmonary disease: a population-based cohort study

BMC Public Health (2018) 18:268

https://bmcpublichealth.biomedcentral.com/track/pdf/10.1186/s12889-018-5167-5?site=bmcpublichealth.biomedcentral.com

<背景>
通常の身体活動はすべてのCOPD患者に推奨されているが、どの程度の身体活動が生存率への効果があるのかについては明らかになっていない。目的は、COPD患者の総身体活動量と種類特異的な身体活動と死亡リスクの関係について検討すること。

<方法>
イングランドとスコットランドの40歳以上のCOPD患者が対象。自己申告の身体活動、中等度から高度の身体活動(MVPA)、歩行、室内活動、スポーツ/運動をベースラインで評価。COXハザードモデルで身体活動性と死亡リスクの関係について検討した。

<結果>
2398人のCOPDが解析に参加。平均8.5年追跡した。総身体活動とMVPAは全死亡リスクと循環器疾患による死亡リスクと関係しており呼吸器による死亡リスクは少なかった。
身体活動を行っていない患者と比べると、身体活動のガイドラインに沿って活動している患者は、全死亡リスク、呼吸器疾患による死亡リスクが著明に減少していた。
ガイドラインで推奨されている身体活動の半分程度の活動の患者もまた、全死亡リスク、循環器疾患による死亡リスクが減少。
死亡リスクと歩行、スポーツ/運動の身体活動は関連していたが、室内活動とは関連していなかった。

<考察>
身体活動性と全原因、循環器疾患による死亡リスクが一般的に推奨されている量より少なくても効果が守られていることが確認された。
COPD患者は身体活動や歩行、運動の低レベルの活動でも効果が得られるかもしれない。


・活動量の評価表:The Physical Activity and Sedentary Behaviour Assessment
Questionnaire (PASBAQ)。加速度計と比較して妥当性が示されている評価表。
・不活動:0METs-時間/週、低活動3.75METs以下、中等度3.75-7.5METs、高度7.5METs以上

・高強度の身体活動が行えていた患者は、若年、%1秒量が高い、併存疾患が少ない、教育年数が長い、飲酒習慣がない
An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is 12889_2018_5167_Fig1_HTML.jpg
全原因死亡率と総身体活動の関係(n=2155)。活動量が多いほど死亡リスクが減少する。
3.75METs以上の活動で有意に死亡リスクが減少


An external file that holds a picture, illustration, etc.
Object name is 12889_2018_5167_Fig2_HTML.jpg
低強度の身体活動(3.75METs以下)でも活動していない患者と比べると死亡リスクは減少する。