CHEST 2015; 147 ( 3 ): 662 - 672
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25340477
<背景>
患者のリハプランの1部に家族を含めることは、COPD管理を促進するかもしれない。この研究の主な目的は、家族ベースの呼吸リハプログラムを患者と家族のコーピング戦略として行うことを検討すること。
※コーピング:問題に対してうまく対処する、切り抜ける
<方法>
2人1組(患者と家族)で無作為に、家族ベースと従来の呼吸リハを実施。どちらのグループの患者も、週3回の運動療法と週1回の心理社会的サポート、教育セッションを12週間受けた。
家族には、心理社会サポートと教育のセッションを患者と一緒に受講した。
従来のリハを行うグループは、家族は参加しなかった。家族の疾患に対するコーピングと心理社会的な調整は両グループとも実施。
患者の運動耐容能、機能的バランス、筋力、健康関連QOLを測定。
全ての評価は、プログラムの前後で実施した。
<結果>
42人の家族が参加(患者の%FEV1.0 70.4%)。家族も参加したグループでは、家族のコーピングが従来のリハと比べて著明に改善。家族も参加したグループは、性的な関係、心理的ストレスが著明に改善。
両グループの患者の、運動耐容能、バランス、膝伸展筋力、健康関連QOLは著明に改善。
<結論>
この研究は、家族も参加した呼吸リハブログラムは、家族機能のコーピングと心理社会的な面を改善させる。
・運動療法の内容:週3回、1セッション最低60分、同じPTが対応する。
・心理サポートと教育:COPDのリハビリテーション、COPDと生活している家族の必要、その他慢性疾患と生活する家族の介入について、COPDのレビューを参考に構成。
・教育は、COPDに関する情報提供、家族の疾患管理の向上、アドヒアランスの向上を目的に行った。
・毎週のセッションでは、他職種(PT、老年学者、心理学者、看護師、専門医)が参加。
1週目:COPDに関する情報、家族生活への影響
2週目:呼吸器症状の管理
3週目:家族の存在
4週目:薬物療法と酸素療法
5週目:ストレスと不安の管理
6週目:身体活動
7週目:栄養と睡眠
8週目:感情コントロール、社会資源
9週目;転倒予防、感情のコミュニケーション
10週目:アクションプラン
11週目:問題解決のテクニック、予測できないことと将来起こること
12週目:まとめ?
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患者だけでなく、家族の自己効力感も考慮するアプローチ方法もありだなと。