Efficacy and safety of nasal high-flow
oxygen in COPD patients
BMC Pulmonary Medicine (2017) 17:143
https://bmcpulmmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12890-017-0486-3
<背景>
ネーザルハイフロー酸素療法(HFOT)は、急性期や慢性期のCOPD患者から行われる新たな治療オプションである。
目的は、高二酸化炭素血症のあるCOPD患者に対して、従来の酸素療法と比べてHFOTの安全性と効果を比較する事。
<方法>
シングルコホート、77人の臨床的に安定しており、長期間酸素療法を行っている高二酸化炭素血症が有るもしくは無い患者に対して、従来の酸素療法とHFOTをそれぞれ60分実施し、それぞれの間には30分のウォッシュアウト期間を設けた。
<結果>
HFOTは全患者に使用できた。HFOTで著明にPaCO2が減少していたおり、両方の方法で、SpO2の上昇、AaDO2の減少が得られた。フローが15L/minで、酸素必要量は、酸素療法よりも少なかった(2.2L/min相当)。
36人の患者においては、HFOT中に、安静時と動作時の肺容量が上昇しなかっただけでなく、残気量が著明に減少していた。
<結論>
短期間のHFOTの使用は、高二酸化炭素血症の有無に関わらず安全であった。呼吸不全において、より低い酸素量で効果があり、高二酸化炭素血症を減少させ、酸素需要量の減少を招いていた。HFOTの安全性、耐久性、臨床的効果について、長期間の研究が求められる。
・酸素療法:0.5L/minから開始し、0.5-1.0L/minずつ上昇。PaO2が60mmHg以上もしくは開始時より10mmHgとなるように必要量を決定していく。必要酸素量を吸入して10分後に血ガス分析を実施
・30分のウォッシュアウトフェーズでは、座位でPaO2が最初の値に戻るまで時間をとる。
・ハイフロー:フロー15L/min、酸素量は0.5L/minから開始し、PaO260mmHg以上もしくは開始時から10mmHg以上の上昇が得られる値を決定。
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安定期でもハイフローを使用すれば、残気量の改善や過膨張が得られるであろうという結果。安定期でも目的がはっきりすれば、使えると思うけど、活動範囲が狭くなるのは気がかり。