2017/11/21

IPF患者の認知機能

Cognitive function in idiopathic pulmonary fibrosis

Chronic Respiratory Disease 2015, Vol. 12(4) 365–372

http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1479972315603552

<目的>
重症の特発性肺線維症(IPF)患者が健常者と比べて、認知機能障害の根拠があるかどうかを検討すること。

<方法>
5つの神経生理学的テストを実施:Trail Making Test (TMT) A and B, Stroop Color Word Test (1, 2, 3), Hopkins Verbal Learning Test, Boston Naming Test, and Grooved Pegboard Test
さらに、SF-36とBeck抑うつインデックスも評価。

<結果>
12人が重症IPF(男性7名、平均年齢69.3歳)重症はDLCO<30%とした。
34人は軽症から中等症IPF(男性22名、平均年齢63.2歳)、DLCO>30%とした。
重症グループは、健常者、軽症グループと比べて、TMT Bの時間が長くかかった。これは、スピードと注意が求められる課題のパフォーマンスが悪いことを示唆した。
更に、重症グループでは、Stroop3テストの正解数が少なかった。これは、良くあり得る反応が制限されると、プロセスのスピードが低下することを示唆した。

<考察>
重症IPF患者は、軽症IPFや健常者と比べて認知機能が低下していた。この結果を説明し、介入をしていくためにさらなる研究が必要である。

・アメリカ、ミネソタ大学でのスタディ
・6MWTや肺機能なども評価。DLCOは%予測で分類。FVCよりも患者の層別化をしやすいため、%DLCOを採用

患者特性:肺機能
1feet=約0.3m
重症IPFの6MWDは約177m、軽症IPFでは約390m



・重症になれば、QOL低下や抑うつの傾向が強くなっていた

・低酸素血症が認知機能へ影響することは知られているが、酸素療法の程度によって異なるかは明らかになっていない。

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低酸素にさらされやすくなると、認知機能が低下する。その中でも、ワーキングメモリーなどが障害されやすいようだ。
COPD同様、疾患管理や服薬アドヒアランスなど注意が必要になる。