2017/11/16

慢性期の気道クリアランスの確保ーシステマティックレビュー

Benefits of interventions for respiratory secretion management in adult palliative care patients—a systematic review

 BMC Palliative Care (2016) 15:74

https://bmcpalliatcare.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12904-016-0147-y

<背景>
気道分泌物は緩和ケアの患者にネガティブな影響を及ぼす。残念ながら、ゴールドスタンダードは未だ確立されていない。目的は、予後不良の慢性疾患患者の気道分泌物のコントロールのための介入を確立し、緩和ケア患者のアウトカムへの影響を確認すること。

<方法>
2016年に8つのデータベースから論文を抽出。成人慢性疾患患者に対して、気道分泌物管理に関する介入をしたものを対象とした。

<結果>
6つのRCT、11の研究、10のクロスオーバー試験、1つの質的研究が該当。
介入は、MI-E、呼気筋力トレーニング、徒手的咳介助、気管切開、胸部理学療法、吸引、エアースタッキング、腹部筋電気刺激、ネブライザー、呼気陽圧マスク、パーカッションベンチレーション、高頻度胸壁オシレーション。
最も効果のあった介入は、徒手的咳介助とMI-Eが、排痰促進効果があり、パーカッションベンチレーションは痰のクリアランスを向上した。

<考察>
徒手的咳介助やMI-E、パーカッションベンチレーションのような治療法は、気道分泌物の
除去の目的に有効で、疾患特異的な緩和ケアに最も有効である。
治療効果をもっと高めるためにエビデンスを探求することが必要である。

採用基準
・慢性疾患を対象としたスタディである
・効果的な咳が出来ていないことや排痰困難に対しての介入を検討している
・成人対象
・RCTか質的研究

採用論文の対象疾患
多発性硬化症、脊髄損傷、神経筋疾患、COPD、嚢胞性肺線維症

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排痰を促すには、筋力や加湿も必要だろうが、それよりも咳にフォーカスして方法を考える必要がある