2017/07/13

IPFでリハプログラムを行うと身体活動が向上

Physical Activity and Quality of Life Improvements of Patients With Idiopathic Pulmonary Fibrosis Completing a Pulmonary Rehabilitation Program
2014 Dec;59(12):1872-9

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25185149


<背景>
呼吸リハは、COPD患者に教化的であるが、特発性肺線維症(IPF)での効果は明らかではなく、特に身体活動レベルや健康関連QOLにおいては明らかでない。
目的は、呼吸リハが身体活動を向上させるか(IPAQで評価)、QOLと症状(SGRQ-IとBDIで評価)が改善するかを検討すること。

<方法>
対象はIPF患者21人を無作為に3か月の呼吸リハを行うグループとコントロールグループに分けた。呼吸リハは、週に2回、90分の運動を実施。コントロールグループは通常の身体活動を行うように伝えた。全患者は6MWTと労作後のBDIを評価。SGRQ-Iと5点の自己評価の健康度をベースライン、3か月後、とフォローアップ後3か月に実施。
IPAQは毎週評価した。

<結果>
リハビリグループはリハビリを実施した3か月間を通して身体活動が高いレベルにあった。
SGRQ-Iの症状のスコアはリハグループで-9点改善し、コントロールグループは悪化していた。
3か月のフォローアップ中リハグループの身体活動レベルは 14,428 ±8,884 METsで、コントロールグループは16,923±32,620 であり、リハグループの身体活動は実質的には逆転していた。
6MWT後のBDIは著明な変化は無かった。

<結論>
3か月のリハプログラムは症状を著明に改善(SGRQ-I) し、身体活動レベルはプログラムに参加中のIPF患者は改善していた(SGRQ-I) 。

・リハプログラム:12週間、教育、運動療法を含んだものを実施。
教育セッションの内容は、呼吸法、栄養、運動、コーピングメカニズムなど10のセッション。
運動の内容は、有酸素運動を30分(トレッドミル20分とエルゴ10分・70-80%HRmax)、ストレッチ20分、筋力トレーニング25分。
・リハグループのプログラムは退院後も継続できるように提供。リハを行わなかった日は、理学療法士が週2回自宅で実施。

・年齢71歳、%FVC60%、%DLCO44%、6MWT361m

・3ヶ月以降のSGRQは3ヶ月時点と比べると7.2点悪化。(ちなみに、コントロールグループは同時期で13.4点の改善)


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要約すると、集中的に介入したら活動量が増加して、症状が軽減した。しかし、半年後まで効果を維持することはできていなかった。長期効果についてはまだ明らかにされていない。
解析人数が10人ずつなので、統計的にはなんとも。。。